●母乳育児のポイント
・母乳の分泌がよくなるまでは、赤ちゃんがほしがるたびに欲しがるだけ吸わせます。
・分泌が良くなったら、1回の授乳で十分に飲ませリズムを作りましょう。
・テレビを見ながら、携帯電話をしながらなどの「ながら授乳」はやめましょう。母乳を作るホルモン(プロラクチン)が分泌されにくくなります。
・心も体もリラックスすると分泌が良くなります。あせらず、ゆっくりで大丈夫です。
・バランスの良い食事がおいしいおっぱいを作ります。穀類・野菜(温野菜がよい)を多めにし、糖分・塩分は控え気味にしましょう。
・動物性脂肪は乳房トラブルの原因になりやすいので、注意しましょう。
・おうちの方もゆっくり見守ってください。

◆起きやすい乳房トラブルと予防法
うつ乳・乳栓
 (うつ乳性乳腺炎)
・抱き方の組み合わせで、飲み残しをなくす
・動物性脂肪を控える
・ゆったりとしたブラジャーを使用する

乳頭の痛み
 (赤はだ・亀裂・乳口炎など)
・抱き方の組み合わせで負担を軽減する
・乳頭を深くくわえさせる
・長時間の授乳をしない(20分前後を目安に)

発熱・乳房の発赤
 (細菌性乳腺炎)
・うつ乳させない
・清潔なパットを使用する

◆母乳が足りている目安
 母乳の分泌の仕方は産後の時期や人によって異なります。
 母乳は飲んでいる量がよくわからず、足りているかどうか心配になりがちですが、母子健康手帳の身体発育曲線に沿って体重がふえていれば心配ありません。各種健診を受けて確認したり、育児相談会やまちなか保健室などを活用して体重測定をしてみましょう。

○おしっこが良く出る(1日7~8回)
○ウンチが良く出る(生後1か月を過ぎると回数が減り、1回量が多くなります)
○赤ちゃんの体重が増加している(生後1か月までは月500g以上、生後1か月からは月750g以上)
○機嫌よく、いきいきとして肌の色もよく、肌につやがある

飲ませた後に寝かせると、すぐ泣くのはなぜ?
 赤ちゃんは母乳が足りない時だけ泣くわけではありません。
胃に空気がたまって気持ちが悪い、眠い、抱っこして欲しいなど泣く理由を確認して、自信をもって授乳してください。心配な場合は医師・助産師・保健師などに相談してみましょう。


●粉ミルクを使うとき
 母乳が出にくかったり、服薬しているなど、母乳が飲ませられないお母さんもいます。
 母乳があげられないと、赤ちゃんに申し訳ない気持ちになるお母さんがいますが、赤ちゃんを抱いて、顔を見て話しかけながら飲ませてあげれば、絆がうまれ赤ちゃんのこころは満たされます。自信を持って与えましょう。

ミルクの飲ませ方
・ミルクは表示どおりの濃さに作りましょう
・乳首のサイズは授乳時間に10~15分かかるサイズを選びます。
 すぐ飲み終わってしまうと赤ちゃんの口の欲求が満足しないため、ぐずりの原因にもなります。お腹も口も満たしてあげることが必要です。
・混合栄養の場合は乳首を口・舌の使い方が母乳と同様のものを使用しましょう
 母乳と哺乳瓶では口・舌の使い方が違うため赤ちゃんのなかには乳頭混乱をおこし、母乳を嫌がるようになる子がいます。
・赤ちゃんの耳管(口・鼻と耳をつなぐ管)は太くて大人より水平になっています。
 寝かせたまま飲ませるとミルクが耳管に入り、中耳炎を起こすこともあります。
・赤ちゃんが空気を飲み込まないように、哺乳瓶の底を持ち上げて飲ませましょう。
・飲み終わったら縦抱きをしてゲップをさせましょう。ゲップが出ない場合は、体をななめにするか、授乳枕などを使って上半身を高くして寝かせましょう。
・授乳量が十分でも、授乳後にぐずることがあります。空気がたまって気持ちが悪いことが原因になるので、縦抱きにしてゲップがでるとすっきりします。

粉ミルクに使う水
・赤ちゃんのミルクや水分補給には、市営水道水か水質基準に合格した井戸水を一度煮沸させて使いましょう。ミネラルウォーターなどで作る必要はありません。

哺乳瓶などの消毒
・赤ちゃんは細菌に対する抵抗力が弱いので、生後3か月までは消毒をしましょう。
・3か月を過ぎたら、使用後すぐに洗浄・乾燥させ、使用前に熱湯にくぐらせると安全です。


作るミルクの量は缶の表示で作っていいの?
 ミルク缶の表示はあくまでも目安で、体重が十分に増加する量として表示されています。
 生まれた時の体重や赤ちゃんによって哺乳量・哺乳間隔は異なります。表示量より少ない哺乳量でも心配はありません。乳幼児身体発育曲線やカウプ指数(生後3か月以降)で成長を見ていきましょう。