●事故予防のポイント
 生まれたばかりの赤ちゃんを除けば、子どもの死亡原因の第1位は「不慮の事故」です。
 とくに、0歳児の事故死の原因は約80%が窒息で、次いで交通事故、溺死、転落・転倒の順になっています。
 子どもの事故の多くは周りの人のほんの少しの気配りで防止可能です。赤ちゃんの成長と共に、どんな事故が起こりやすいのかをよく知って、身の回りを赤ちゃんの目の高さに合わせて再点検をして、事故を予防しましょう。

◆赤ちゃんの発達に伴う事故


[参考]
 消費者庁「子どもを事故から守る!事故防止ポータル」


●乳幼児突然死症候群(SIDS)
 それまで元気で、なくなることが予測されるような病気がない乳児に突然の死をもたらし、さまざまな調査や検査によってもその原因がわからない病気を乳幼児突然死症候群(SIDS)といいます。生後2~6か月の乳児に多く、睡眠中に突然亡くなった状態で発見されることが多いです。妊婦・養育者の喫煙、母乳以外の栄養、うつぶせ寝などがそのリスクを高めると考えられ、これらのリスクを少なくすることにより発生は減少しています。

◆乳幼児突然死症候群の予防
・赤ちゃんを寝かせるときは、あおむけ寝にしましょう
・妊娠中や赤ちゃんの周囲でタバコを吸う事はやめましょう
・できるだけ母乳で育てましょう
〔参考〕
 厚生労働省ホームページ
 >>詳細はこちら


●乳幼児ゆさぶられ症候群(SBS)
 赤ちゃんの脳はとても柔らかくダメージを受けやすい状態にあります。また赤ちゃんの頭は体に比べてとても大きく、それを支える首の筋肉の力もまだ弱く、激しく揺さぶられると首がムチのようになり、脳のまわりの血管や脳の神経が引きちぎられてしまいます。これを「乳幼児ゆさぶられ症候群」といいます。
 重症の場合は意識障害やけいれん、呼吸停止などが起こります。軽症の場合では、食欲低下、むずがることが多いなど、はっきりしない症状が続くことがあります。

◆決して赤ちゃんを激しくゆさぶらないで!!
・無理に泣きやませようと激しくゆさぶらない
・泣き声が周囲に聞こえないようにと、赤ちゃんの口をふさがない
・赤ちゃんの泣きの特徴と激しくゆさぶってはいけないことを、家族に知ってもらう
・泣かれてイライラするのは誰でも同じ
 赤ちゃんのお世話をする全ての人にゆさぶりの危険性を知ってもらう
・ご近所にも赤ちゃんの泣きの特徴を知ってもらう

◆知っておきましょう、生後2か月頃は「泣き声期」です!
 生後2か月頃の赤ちゃんは、周りの環境とは関係なく予測不能の泣き声発作があり、親をイライラさせる時期があります。
・ピークがある……生後2週間から週を追って更に泣くようになり、2か月目がピーク
・予測できない……泣いては止み止んでは泣きだす
・なだめられない…何をしても泣き止まない時もある。抱っこしても止められない
・痛そうな表情……たとえ痛くなくても痛そうに泣いたりする
・長く泣く…………1日5時間以上泣くことがある(あまり泣き続ける時は医師等に相談)
・夕方………………午後から夕方にかけてよく泣く


●もしも事故が起きてしまったときの応急処置

◆誤飲・誤食
・落ち着いて何を飲み込んだか周囲にあるものから推測しましょう。
・誤飲のときは、気づいたらすぐに吐かせましょう。ただし、以下の場合は吐かせずにすぐに病院へ連れて行きましょう。
□呼吸の状態がおかしい・顔色が悪い・意識がうすれている
□けいれんを起こしている
□ボタン電池・石油製品・医薬品・洗浄剤・殺虫剤などを飲んだ
※処置の方法がわからなかったり、普段と異なる様子の場合は医師に相談するか、中毒電話相談に連絡してみましょう。

(財)日本中毒情報センター(中毒110番)
つくば:029-852-9999(365日9時~21時)
大 阪:072-727-2499(365日24時間)
タバコ専用電話:072-726-9922
  (365日24時間 テープによる情報提供)

*吐かせる
指をのどの奥に入れて舌を押し下げる。
*のどに詰まっている
乳児の場合は腕や太ももの上にうつぶせにまたがせて頭を胸より低くして背中をたたく。


◆頭を打った
・頭を打った後にすぐに泣いたかどうか、ぼんやりしていないかなどについて観察しましょう。
・下記の場合はすぐに受診しましょう。
 □意識がない
 □嘔吐する
 □けいれんする
 □左右の瞳の大きさが違う
 □耳や鼻から出血している など
・頭を強く打ってから2日間程度、右記のような異常がなければ、たいていは心配ありません。
・こぶができたときは冷たいタオルで冷やし、出血はガーゼで圧迫し受診しましょう。

◆やけど
・やけどの部位を水道水や氷水で10分以上冷やし、その後に医師の診察を受けましょう。
・やけどの範囲が大人の手のひらよりも広いときはすぐに病院受診しましょう。皮膚が黒く焦げたり、白くなっているときは、救急車を呼びましょう。


●心肺蘇生法(人工呼吸・心臓マッサージのしかた)
 耳元で声をかけても反応しない、息をしていないときは、助けを呼んで119番に通報すると共に、直ちに気道を確保し、心肺蘇生法を行います。

①気道確保:
片手をおでこに当て、片手であご先を持ち上げる。
②心臓マッサージ:
乳首を結んだ線の中央から足側に向けて人差し指~薬指を並べ、中指・薬指で胸の厚さの1/3程度くぼむまで圧迫する。
③人工呼吸:
乳児の口と鼻を同時に自分の口で覆い、息を1~1.5秒かけて吹き込む。
※新生児=1分間に120回のペースで心臓マッサージ、マッサージ3回に人工呼吸1回の割合
※乳 児=1分間に100回のペースで心臓マッサージ、マッサージ5回に人工呼吸1回の割合